米に対する消費者意識と店頭での販売

兵庫県では「おいしいご飯を食べよう県民運動」を展開し、あわせて「地産地消」の考えから、兵庫県産米の消費拡大を図っています。県内の消費者はどのような点を重視して米を選んでいるのかを知るため、アンケート調査を実施するとともに、店頭で販売されている米の実態調査を行いました。また、モニターによる食味テストも実施しました。

 

購入時に最も重視するのは「価格」

アンケート調査は平成161月、兵庫県在住の国民生活モニターや生活科学センター来所者など560人を対象に実施し、487人から回答を得ました(回収率87.0%)

米を生産者や知人等からもらう人を除いた333人が米を購入するときに重視する点(複数回答)は「価格」が最も多く(184人(55.3%))、次いで銘柄(商品名)が166(49.8%)、品種149(44.7%)、味147(44.1%)、産地145(43.5%)となっていました。

 

兵庫県産米に限って購入している人は5割弱

 米を購入する時に、いつも品種を決めて購入しているのは130人で、そのうち92人(70.7%)が「コシヒカリ」を選んでいました。

常に産地を決めて購入しているのは106人で、そのうち49(46.3%)が「兵庫県産」を常に購入しています。

品種または産地を常に決めて購入する理由(複数回答)では、全員が「おいしいから」と回答し、次いで「よく聞く品種・産地だから」73(43.2%)、「地産品だから」55(32.5%)となっていました。

 

店頭では少ない兵庫県産米

 昨年7月県内の量販店や百貨店など、大規模小売店(11店舗)で販売されていた米を調べたところ、137商品のうち、兵庫県産米は12商品(8.8%)しかなく、同じ店舗の12月の調査では、123商品中7商品(5.7)しか販売されていませんでした。

 小規模小売店(12店舗)では、7月の時点で30商品中兵庫県産米は4商品(13.3%)しかなく、12月の時点で1商品もありませんでした。

 

個人の好み変わるおいしさの評価

6銘柄(うち3銘柄はコシヒカリ)の米について、13人のモニターによる食味テストを行いました。普段の食生活で主にコシヒカリを食べている人(8人)でも、コシヒカリを3銘柄とも正しく当てた人はいませんでした。コシヒカリを食べていない人(5人)もコシヒカリと他の銘柄の区別はつかず銘柄間の味の差はあまり見られませんでした。

また、外観、香り、粘り、堅さなどの食味評価とともに、品種の判断をしてもらったところ、最も価格の高い商品が食味テストでは最も低い評価になるなど、食味テストの評価は必ずしも評判の品種や価格に比例していませんでした。

同じ品種、産地でも、栽培条件などによって米の味は変わります。品種や銘柄をうのみにして選ぶのではなく、実際に食べ比べてもう一度、自分の好みにあった米を探してみてはいかがでしょうか。地産地消の観点から、兵庫県産米にも注目したいものです。