夕食における総菜の利用実態
スーパーやデパートの地下で販売されている総菜が、人気を呼んでいます。この市販総菜の利用実態や問題点を把握するため、県民1,000人を対象としたアンケート調査を実施しました。また、県内の総菜製造・販売事業者424社にもアンケート調査を実施し、今後のあり方などを考えてみました。
4人に3人が夕食に利用
調理済み市販総菜を夕食で利用しているのは、全回答者(680人)の4分の3にあたる73.7%(501人)で、そのうち75.4%(378人)の人が「調理時間がないときに便利」を主な理由にあげていました。
年齢と利用率の関係をみると、最も利用率が低い50歳代を境に、若い世代ほど、また、高齢世代ほど利用は多くなり、「週に3〜4回」あるいは「ほぼ毎日」利用する人が、20歳代で27.3%、70歳代で20.4%と、他の年代より多くなっていました。
今後も市販総菜を利用したいと考えている人は、「積極的に利用したい(14.9%)」と「時間がないときなど、やむを得ないときのみに利用したい(66.8%)」を合わせると81.7%となり、市販惣菜が食生活の一部を担っている状況がわかりました。
ただし、1か月の平均購入金額は、5,000円以下が73.5%(368人)で、副食費に占める割合は、「1割以下」が55.9%と過半数となっており、市販惣菜が幅広く定着しているものの補助的な利用にとどまっていると考えられます。
消費者の思いと事業者の認識に差
アンケートに回答のあった80事業者が製造していた調理済み総菜は、「フライ類」95.0%(76社)、「コロッケ類」86.3%(69社)、「唐揚げ類」83.8%(67社)が上位を占め、消費者が問題点にあげている「油を使ったものが多い」を裏付ける結果となりました。
その揚げ物について、消費者は「ころもが大きすぎる」という意見がみられるのに対し、70.0%(56社)の事業者は、「素材に対して最小限にしている」と答えていました。また、消費者が「味が濃すぎる」思っているのに対し、98.8%(79社)の事業者は、総菜は薄味で作っていると答えており、いずれも、消費者との見解に大きな開きがありました。
また、消費者の「材料の品質がわからない」(31.8%(216人))、「どんな材料を使っているかわからない」(30.0%(204人))といった材料に対する不安について、事業者がどのように考えているかを尋ねたところ、「法律に違反するようなものは使っていないから安心してほしい」が70.0%(56事業者)と最も多い回答でした。また、「特に考えたことはない」が11.3%(9事業者)、「消費者が不安を持っているとは思わなかった」10.0%(8事業者)、「何が不安なのかわからない」7.5%(6事業者)など合わせて28.8%(23事業者)が「消費者の材料についての不安」について認識されていませんでした。
消費者が総菜への要望をいかに事業者に伝えていくか、事業者はこれらの消費者の思いをどのように的確に反映していくかがこれからの課題といえます。
図 消費者からみた市販総菜についての問題点
〔全体N=680:複数回答〕