電動四輪車の操作性と高齢者の特性
 電動四輪車は、最高速度が時速6キロ以下と低速で、免許が不要なため、近年、高齢者の利用が増えています。それに伴い、電動四輪車が関係した交通事故が年々増加しています。そこで、3車種の電動四輪車を用いて、若年者モニター10名(19歳〜27歳)と高齢者モニター12名(65歳〜71歳)によるモニターテストを実施し、操作のしやすさや問題点を調べました。
 
車種によって操作方法に違いがある
 電動四輪車の操作方法は、業界の統一基準がないため、各メーカーによって異なっています。各車種のハンドル操作部(右写真)を見たり、操作方法を聞いただけでは、自分にとってどれが本当に使いやすいのか分かりません。 今回のモニターテストでも、各機能の操作性や利用のしやすさは、車種によって異なっていました。
 電動四輪車を購入する際は、事前に操作方法を十分に確認し、自分にとって利用しやすい車種を選ぶ必要があります。

道路の横断には予想よりも時間がかかる
 道路の横断を想定し、6メートルの距離を電動四輪車で実際に走行した後、どれくらいの時間がかかったかを推定してもらったところ、多くのモニターは、実際にかかった時間よりも短い時間を推定しました。このことから、予想した時間内に道路や踏切を横断できずに、途中で事故につながる危険性があると考えられます。
 なお、推定時間と実際にかかった時間の差については、高齢者モニターと若年者モニターにはっきりした差は見られず、また、走行スピードが遅いときほど、各モニターの推定のばらつきは大きくなりました。

利用する場合は十分に練習が必要
 物の動きに反応する能力や、視野の広さを認識する確認テストを実施したところ、高齢者モニターは、見ている範囲も狭く、とっさの場合の操作ミスが多いことが確認されました。利用する場合は十分に練習をして、使い慣れる必要があります。
 販売者も、購入前の試乗だけでなく、講習会を開催するなど、購入者が習熟するまで練習できる機会を提供してほしいものです。






テストした3車種のハンドル操作部