浴室用混合水栓の使い勝手
 浴室のシャワー付き混合水栓には、いろいろなタイプがありますが、自宅や旅先のホテルなどで操作を誤り、頭からシャワーを浴びてしまったという経験をもつ人も少なくないでしょう。そこで、操作方法が異なる5種類の浴室用混合水栓について、使い勝手を調べるテストを20代から70代のモニター35人に実施してもらいました。
 ※本文の述べ人数は、各モニターに一製品につき3つの課題(35×3課題=延べ105人)を行ってもらい、その作業中に操作を間違えた人数。
 
蛇口から出すつもりがシャワーから
 吐水ハンドル一つで、蛇口・シャワーの切り替えも行う製品(写真1)の場合では、蛇口からの水を止める時に一気にシャワー側までハンドルを回してしまい、シャワーの水を浴びてしまうことがあります。今回のテストでも、延べ22人(21%)がそのような失敗をしました。
写真1 シャワー側までハンドルを回してしまう

 蛇口・シャワーの切り替えが別ハンドルになっているもの(写真2)では、事前に蛇口側に切り替えるのを忘れ、シャワーから水を出してしまった人が製品によって延べ8人(7.6%)〜13人(12.4%)いました。
写真2 蛇口側に切り替え忘れる
 
操作方法等の違いに戸惑いが
 ハンドルを上下方向にひねって水を出したり止めたりする方式(水を出す時は上へ、止める時は下へ)(写真3)では、止める時にハンドルを逆に回してしまう人が延べ10人(9.5%)いました。また、温度調整ハンドルを手前に回すと高温になる製品(他の製品とは逆向き)では延べ17人(16.2%)が誤って逆に回しました。
 その他、本体表示のあいまいさからくるトラブルも見受けられました。
写真3 止水時に逆に回してしまう
 
誰もが正しく操作できる製品を
 いろいろなタイプがある混合水栓ですが、今回のモニターテストから、改めて、機種による操作方法の違いがトラブルを引き起こしたり、また頭ではわかっていても、思わず間違って操作してしまうケースのあることも明らかになりました。
 安全な使用を確保するために、初めて使う人でも製品本体を見る(触れる)だけで、考えることなくおのずと正しく操作ができるデザインや操作方法の統一が望まれます。
 
表1 テスト対象品 単独 共通
  A B C D E
湯温調整 シングルレバー
水温調節 ひねりハンドル ひねりハンドル アーチハンドル
吐水・止水 蛇口、
蛇口・シャワー切替 シャワー別