荷物運搬用カート |
カートを用いた時の移動の特徴 モニターテストの結果、使い始めで慣れないときは、通行人や障害物との間隔を広く開けて通ろうとしますが、慣れてくると、狭い幅でも通れると判断しがちになることが分かりました。また、幅の大きいカートを使う場合や、横幅の大きい荷物を載せたときほど、実際より狭い幅でも通れると判断する傾向がみられました。 なお、若年者は自分の判断に自信を持ち、早く通ろうとするために、壁などに接触する頻度は、高齢者と変わりませんでした。 商品上の問題 テストに用いたすべてのカートに、ハンドルと荷台がたたみ込める折りたたみ機能が付いていましたが、折りたたみ操作中に手を挟みそうになるものや、荷物をひもで荷台に固定しようとすると、ハンドルが倒れ込むもの(写真2)があり、折りたたみ機能に思わぬ危険があることがわかりました。 ハンドルや荷台が不意にたたみ込まれないようにロックを付けるなど、構造上の工夫が望まれます。 また、仕組みが複雑で、操作方法が分かりにくいにもかかわらず、取扱説明書がなかったり、あってもカタカナ用語が多く、分かりにくいという意見がモニターから多く出されました。取扱説明書は、誰が見ても操作できるよう、イラストを使い、分かりやすい言葉で記述するなど工夫が必要です。 |
テストに用いた市販カート7機種 |
写真1 荷物運搬用カート |
荷物を固定するためにハンドルのひもを 引っ張って荷台に引っかけようとすると・・・ |
折りたたまれて、ハンドルが倒れる (ハンドルで頭部を打つ可能性もある) |
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写真2 荷物固定時にハンドルが倒れる |
購入前に実際に使ってみる カートを購入するときは、展示品などで折りたたみの操作方法や操作に必要な力加減、実際にカートを引いたときに身体から荷物が離れすぎないか、逆に近すぎて足に当たらないかなどを確認することが大切です。さらに、段差の乗り越えが可能か、荷台ごと持ち上げても安全に移動できるかどうかなどを確認し、自分にあった、操作しやすい機種を選択して購入しましょう。 |
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