保健機能食品の利用実態と消費者意識 | ||||||||||||
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保健機能食品とは | ||||||||||||
健康についての情報があふれている今日、「健康食品」を利用する人が増加し、それに伴いトラブルも増えています。 「健康食品」の定義が決められていなかったこともあり、厚生労働省は平成 13年4月、保健機能食品制度を発足させました。健康食品のうち、国が定めた安全性や有効性等の基準を満たしていれば「保健機能食品」と称することができ、 この「保健機能食品」はさらに「特定保健用食品」と「栄養機能食品」に区分されています。 |
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◆用途表示が認められている「特定保健用食品」 |
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特定保健用食品マーク | ||||||||||||
◆栄養成分の補給・補完用の「栄養機能食品」 | ||||||||||||
「栄養機能食品」とは、高齢化・食生活の乱れなどによって、通常の食生活を行うことが難しく、1日に必要な栄養成分を取れないような時に、栄養成分の補給・補完を目的に利用する食品です。
カルシウム、鉄、マグネシウムなど5種類のミネラル類とビタミンA、B1、B2、C、Eなど12種類のビタミン類があります。 |
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調査の結果 | ||||||||||||
◆まだまだ低い「特定保健用食品」「栄養機能食品」の周知度 | ||||||||||||
新聞広告、通販、折込チラシなどで健康増進目的の食品が様々な名称で販売されていますが、法的に定義づけられているのは、保健機能食品だけです。
これらの名称の周知度を調べたところ、「栄養補助食品」91.8%、「サプリメント」90.8%、「健康補助食品」77.2%に比べて「特定保健用食品」は61.8%、「栄養機能食品」は52.7%と低く、一般消費者に浸透しているとは言い難い状況でした。 |
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◆約4割の人が特定保健用食品を利用 |
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「保健機能食品」のうち「特定保健用食品」を現在利用している人は、41.3%でした。また、「保健機能食品」以外の「いわゆる健康食品」を利用している人も30.7%あり、「保健機能食品」に含まれない「いわゆる健康食品」の存在も大きいことがわかりました。なお、「栄養機能食品」を利用している人は 22.6%でした。 | ||||||||||||
![]() 図1 保健機能食品の利用頻度(計=1,289人) |
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◆「特定保健用食品」に「効果があった」と答えた人は「いわゆる健康食品」より少なかった |
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「保健機能食品」は、国が認めた健康食品という意識があるため、特に「特定保健用食品」は「いわゆる健康食品」より、安全性、信頼性、利用効果への期待が大きい傾向がみられました。 しかし、利用した人に効果を尋ねたところ、「特定保健用食品」が、「効果があった」もしくは「少し効果があった」と考えている人は27.8%で、栄養機能食品:37.1%、いわゆる健康食品:31.1%に比べて少ないという結果でした。 その理由として、「特定保健用食品」は有効性が科学的に認められているため、宣伝の方法によっては、消費者が過剰な」期待を抱くことになり、実際にどの程度の効果が得られるのか、消費者に十分理解されていないことが考えられます。 |
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図2 保健機能食品の利用効果 (特定保健用食品・計=738人、栄養機能食品・計=539人、いわゆる健康食・計=685人) |
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◆「特定保健用食品」では「おなかの調子を整える」食品、「栄養機能食品」では「カルシウム」を含む食品が多く利用されていた |
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図3 購入した特定保健用食品の種類(N=862人<複数回答>) |
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「栄養機能食品」で最もよく利用されていたのが「カルシウム」を補う食品(313人)、次いで「ビタミンC」(246人)、以下「ビタミンE」(225人)、「鉄」(191人)、「ビタミンB1」(150人)の順に多く利用されていました。 | ||||||||||||
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図4 購入した栄養機能食品の種類(N=668人<複数回答>) | ||||||||||||
◆今後、保健機能食品を「利用したい」が「利用したくない」を少し上回った |
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今後、「保健機能食品」を利用したいかについては、「積極的に利用したい」「利用したい」が合わせて40.0%。一方「あまり利用したくない」「利用したくない」が合わせて35.4%で、「利用したい」が「利用したくない」を4.6ポイント上回りました。利用したくない理由としては、「栄養分は普段の食事からとるべき」と考えている人が多いという結果でした。 | ||||||||||||
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図5 今後、保健機能食品を利用するか(計=1,289人) | ||||||||||||
◆1か月あたりの出費は約7割が5,000円以下 | ||||||||||||
一か月あたりの健康増進を目的とする食品代は、「3,000円以下」が29.6%で最も多く、次いで「3,001〜5,000円」が18.8%。これに「使っていない」の20.2%を合わせると、68.6%が5,000円以下でした。「50,001〜75,000円という高額な出費をしている人(2人)もいました。 | ||||||||||||
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図6 1ヶ月あたり、保健機能食品・いわゆる健康食品に使う金額(計=1,289人) | ||||||||||||
◆約8割が「注意表示」を読んでいたが「読みやすい」と答えたのは2割弱 | ||||||||||||
「保健機能食品」は、「注意表示」を正しく理解して利用することが大切です。表示を「読んでいる」「時々読んでいる」を合わせると79.2%の人が読んではいるものの、読みやすさについては「概して読みやすい」は 23.0%にとどまっています。一方、61.6%が「概して読みにくい」と考えており、わかりやすい表示の仕方が、課題となっています。 | ||||||||||||
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