市販弁当の栄養成分
 
 スーパーやコンビニなどで販売される弁当の利用者が増加していますが、気になるのが栄養面です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では見直しのポイントとして、減らすべき栄養素にナトリウム、増やすべき栄養素としてカリウムがあげられています。
そこで、市販の各種弁当19品を試買し、生活習慣病予防の観点から脂質、塩分、カリウムなどの栄養成分を分析しました。      (試買時期:平成17年8月〜12月)
 
  脂質は摂りすぎる傾向に
  脂質の一日摂取基準を600kiとして、弁当に含まれる脂質からの摂取エネルギーが一日のエネルギーに占める割合を調べると、最高は豚の角煮弁当の70%、次いで唐揚げ弁当の61%、栄養のバランスが摂れていると思われがちな幕の内弁当でも24〜39%もあり、19品の平均は35%でした。全体的に脂質の摂り過ぎが懸念されます。
 
  塩分量は高め
   一日のナトリウムの摂取基準は食塩相当量で10gですが、19品のうち10品が一日の目標量の三分の一を超え、平均は3.5gでした。特に幕の内弁当6品の平均は4.2gと塩分量が高く、これは煮物の献立が多いためと考えられます。
カリウムは不足
カリウムの一日の摂取基準の目安量は2,000mg、生活習慣病予防の観点からは3,500mgとされていますが、19品のカリウム量の平均は、470mgであり、最高でも655mgしかありません。また、ナトリウム/カリウムの比率は2.0以下が望ましいとされていますが、19品のうち2.0以下は1品だけであり、カリウムが不足しています。
弁当写真 弁当写真
【塩分や脂質が高めの市販弁当】
習慣的に利用するときの注意点
@ 脂質を減らす工夫を
揚げ物や脂質を多くむ献立を避けるなど、食材や調理方法を確認しましょう。
A 塩分は控えめに
煮物などの味付けが濃いと塩分量は高くなります。醤油や塩などの添付調味料や漬物などを控えましょう。
B カリウムを補う
弁当に入っている根菜や葉菜はわずかな量です。弁当とは別にカリウムを豊富に含む野菜、果物、豆類、芋類などを摂りましょう。
望まれる栄養成分表示
 市販弁当には表示義務はありませんが、栄養成分を表示していたのは、19品のうち5品だけでした。弁当選びの参考になるよう、事業者はもっと積極的に栄養成分表示をしてほしいものです。
市販弁当の栄養成分分析結果表