青汁などの野菜加工食品
 
 緑色野菜を加工した「青汁」と呼ばれる商品が、通信販売や薬局・薬店などで販売されています。青汁などの野菜加工食品18銘柄について、多量に摂取すると皮膚障害を起こすおそれのあるフェオホルバイド含有量を調べるとともに、商品表示に問題がないかを兵庫県消費者団体連絡協議会のみなさんと調べました。
   テストは、大麦若葉やケール(アブラナ科の野菜)などの緑色野菜を原料にして、粉末や顆粒、錠剤(粒、タブレット)に加工された商品18銘柄(表1)で行いました。    
 
表1 テスト対象品
No. 品名 形態
1 大麦若葉食品 粉末
2 大麦若葉加工食品 粉末
3 大麦若葉加工食品 粉末
4 大麦若葉加工食品 錠剤
5 麦類若葉加工食品 粉末
6 ケール粉末 粉末
7 ケール粉末加工食品 顆粒
8 ケール粉末加工食品 粉末
9 ケール加工食品 粉末
10 メキャベツ粉末加工食品 粉末
11 いぐさ加工食品 粉末
12 明日葉加工食品 顆粒
13 稲微粉末加工食品 粉末
14 桑葉末加工食品 粉末
15 青汁(野菜粉末・大麦若葉粉末加工食品) 粉末
16 大麦若葉・にがうり加工食品 錠剤
17 野菜加工食品 錠剤
18 野菜加工食品 錠剤
 
  フェオホルバイド量に問題はなかった
   「フェオホルバイド」とは、植物細胞に含まれるクロロフィル(葉緑素)が分解されてできる物質で、多量に摂取した場合に皮膚障害を起こすおそれがあるとされています。青汁などの野菜加工食品はクロロフィルを豊富に含む緑色野菜を原料としていることから、フェオホルバイドを含有する可能性があります。
 今回のテストでは、テスト対象商品のうち11銘柄からフェオホルバイド(総フェオホルバイド量5.0mg%〜93.9mgが検出されましたが、厚生労働省が定めるクロレラ加工品に関する総フェオホルバイド量の指導基準160mg%を超える商品はありませんでした。

※)mg%(ミリグラムパーセント)とは製品100g中に含まれている量をmgで表した単位(1mgは0.001g)
 
  消費者にとって分かりにくい表示も
   テスト対象品には、「○○に効く」といった明らかに医薬品的な効能効果を期待させるような表示の商品はありませんでした。しかし、高栄養価と表示しているのに栄養表示がない商品や、栄養成分でないものを栄養表示に混在させて表示している商品、保存方法、賞味期限、原材料名、製造者等の表示方法が適切ではないと思われる商品などがありました。
 また、消費者からは「商品100g当たりではなく1食分当たりの栄養表示が欲しい」「表示の文字が小さくて見にくい」「原料の生産地を知りたい」といった意見がありました。
 青汁をはじめ、健康食品などの表示には、法律の規制をすりぬけるようにして商品の優良さを強調するものがあります。
 事業者には消費者に誤解を与えない分かりやすい表示が望まれます。