電池式住宅用火災警報器の実用性 | ||||
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戸建て住宅で設置しているのは7% | ||||
テストに先立って、一般県民129名に対し、火災警報器に関するアンケート調査を実施しました。その結果、設置が義務化されることを知らない人は87人(67%)、また、戸建住宅に住んでいる74人のうち、火災警報器を設置している人は、わずか5人(7%)でした。 | ||||
煙に対する感度に大きな差 | ||||
テストした5機種のうち、2機種(機種A、B)はアメリカのUL規格※1に準じたもの(ULマーク表示)、他の3機種は日本消防検定協会の鑑定に合格したもの(NSマーク表示)です。
密閉キャビネット(150cm×50cm×50cm)内(図1)に全機種を設置し、その中で煙を発生させてから、警報音が鳴り始めるまでの時間を調べた結果(図2)、UL規格品の2機種は、他の3機種に比べ、感度が高いことがわかりました。しかし、感度の高い機種の場合、日本の住宅構造ではタバコや調理時などの煙でも反応してしまうことも考えられます。そのため、これらの煙に影響されない場所に設置するなどの工夫が必要です。 |
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写真 各機種外観 | 図1 煙感知テスト条件 | |||
ULマーク | 日本消防検定協会 鑑定合格証(NSマーク) |
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※1 UL規格とは、アメリカの民間機関 UL Inc.( Underwriters Laboratories Inc.)がアメリカ・デラウェア州の法律に基づき「公衆の安全の試験」を目的とする非営利機関として認可を受け、独自に安全規格の制定を行ったもの。 | ||||
図2 煙感知テスト結果 | ||||
日頃からの確認を忘れずに | ||||
警報音の音圧レベルは、どの機種も1メートル離れたところで70dB[デシベル](電話の通常呼び出し音より少し大きい程度)以上ありました。しかし、、機種によっては、他の家電機器などの報知音に似た切迫感のない音のため、危険を知らせる警報音と気付きにくいものもありました。火災警報器を購入する際は、音の大きさだけでなく、音の種類も確かめておく必要があるでしょう。また、設置後も家族全員で警報音の聞こえ方を確認したり、定期的に作動テストを行うことが大切です。 なお、消防職員を装うなどして不当に価格の高い火災警報器の設置義務に便乗した被害の発生が心配されますので、注意しましょう。 |