癒し系商品のストレス解消効果
 
 音楽や香料、寝具などに「癒し」という言葉を付けた商品が目につきますが、「癒しの効果」はほとんど検証されていません。そこで、癒し系商品に関するアンケートと市販の癒し系音楽のストレス解消効果をモニター実験しました。
                   (調査・実験実施時期:平成17年7月〜10月)
 ◆アンケート結果◆
  「癒し」という言葉に魅力
   調査した288人のうち、60.5%の人が「癒し」という言葉に魅力を感じ、癒し系商品を購入したいと思う人は55.5%でした。ただ、実際に商品を購入している人は全体の21.8%に止まりました。
  グラフ
  癒し効果の実感は香りや音・音楽で
   癒し系商品のうち、香りや音・音楽を購入している人が多く、購入した人の7〜8割が「リラックスでき、気分が爽快になり、疲れがとれる」などの効果を実感していました。五感に働きかける感性商品が心理的ストレスの解消に役立つようです。
図2 実感した癒しの効果の程度
 ◆モニター実験結果◆  
 【モニター実験内容】
 17名のモニターに計算課題を5分間行ってストレスを与えた後、4分野の癒し系音楽「ニューミュージック」「自然の音」「民族音楽」「ポピュラー」を聴いた後に、@リラックス感や爽快感などの自己申告による感情状態、A心拍数と血圧等を測定しての生理的な緊張状態について評価した。  (モニター数は17名)
リラックス感があったのは耳に慣れた音楽
 多くのモニターが知っていると答えた「ポピュラー音楽」を聴いた後は、爽快感やリラックス感が高まり、聴いたことがないと全員が答えた「民族音楽」でのリラックス感が最も低い結果となりました。聴きなれた曲が気持ちを爽快にして、リラックスさせやすいといえるようです。
生理的な緊張を緩和するのは単調な音楽
 心拍数や血圧などの生理的な緊張状態が緩和したのは「ニューミュージック」や「小鳥のさえずりや小川の音などの自然の音」でした。単調でゆったりした曲調のため、曲の展開を予測できて安心して聴いていられるため、身体の緊張がほぐれるようです。
ストレス解消効果のみられない癒し系音楽も
 耳慣れない音楽や曲調の展開が複雑な音楽はストレス解消効果のないこともあります。爽快感などの感情と血圧などの生理の両者をリラックスさせる音楽は少なく、事業者には感情面と、生理面の双方のストレスを解消できる癒し系商品の開発が望まれます。また、試用できるサービスも必要です。