屋内用センサー付き防犯用品の実用性
  兵庫県警によると、空き巣、ひったくり、車上ねらいが多発しているようです。特に、空き巣被害が増えており、防犯機器の活用を勧めています。そこで、警報音を発する屋内用センサー付き防犯用品について、県民グループと共同でテストしました。 (実施時期:平成18年6月〜12月)
 
テスト品は手軽に購入できる安価なもの
 テストを行ったのは、ホームセンター等で市販されていた購入価格が950円〜2,980円の比較的安価な商品です。いずれも、屋内に設置し、赤外線センサーで侵入者を感知し、警報音を発するタイプのもの6機種です。
 防犯用品 画像
※No.1は天井取り付け型、その他はどこにでも
設置可能。No.5(AC100V)の他は電池式。
横断は感知しやすいが、真っ直ぐの接近には感度が鈍かった
 モニターがテスト商品の前方を歩き、警報音を発する時の距離を測定しました。その結果、天井取り付け型(1)は3.2mの地点で感知しました(表示値2.4m)。それ以外の5機種はどこに取り付けてもよいタイプであり、6.4m〜11.1m離れた地点でも感知しましたが、1機種(5)は表示値を満たしていませんでした(実測値6.4m、表示値9.0m)。
 なお、モニターがテスト商品の前方から真っ直ぐに近づき、感知する時の距離を測定したところ、1.1m〜2.3mまで接近しなければ感知せず、すべての機種で表示値を大きく下回りました。
  次に、室温約20℃のときと約30℃のときとで感知距離を比較した結果、30℃のときの方が、感度が低くなることがわかりました。
 
  グラフ
図1 移動方向と感知性能(室温約30℃)
  また、感知対象との間にガラスがあると感知しませんでした。
使用するときには、これらのことを念頭において、位置や向き、死角を考慮して設置することが大切です。
音量は機種によって様々
  距離1mで警報音の音圧レベル(音の大きさ)を測定したところ、68.5dB(A)〜94.5dB(A)[単位:デシベル]と、機種により差がありました。作動する警報音は、屋外に知らせるほどの音量は出ませんが侵入者を威嚇するためにも出来るだけ音圧レベル(dB[デシベル])の高い商品の方が効果的です。また、電池式のものは交換時期が比較的短期(2〜3ヶ月)であることに注意が必要です。
包括的な防犯対策が不可欠
  今回のテスト対象品である屋内用センサー付き防犯用品は、あくまでも侵入者への威嚇目的のものです。
 言うまでもなく、防犯の第一歩は、犯罪者の侵入を未然に防ぐことです。そのためには、「ご近所の防犯運動」を進めるとともに、侵入そのものを防ぐ用具(ガラス破り防止具、ドア破り防止具、ピッキング防止具)等を活用するなどの取り組みが大切です。