デザイン家電の操作性
 消費者のインテリアに対する関心が高まるとともに、インテリア性を重視した家電製品、いわゆる「デザイン家電」が登場し、そのシンプルな形状や斬新なデザインが消費者の目をひきつけていますが、見た目優先になりがちなため操作性で劣るとも言われています。そこで、デザイン家電製品について、消費者の意識調査とモニターによる使用性テストを実施しました。 (実施時期:平成18年8月〜平成18年10月)

【アンケート調査】   
 対象:一般消費者233名
      (配布266、回収率87.6%)
【モニターテスト】
 19歳〜61歳の女性14名に試験対象としたデザイン家電4製品
 (炊飯器・オーブントースター・電気ポット・加湿器)を取扱説明書を読まず
 に操作してもらい、その操作状況をビデオ撮影し、分析を行った。 
 
デザイン家電に対して好意的
 アンケート調査、57.1%の人が「デザイン家電」という言葉を知っており、68.2%の人が好意的に受け止めていました。特に若い世代にその傾向が強く見られましたが、購入経験がある人は全体でも11.2%にとどまりました。
 なお、家電製品を購入する際の重視項目を5段階評価(重視する:5点〜こだわらない:1点)で答えてもらったところ、全体としては「色・形などのデザイン(平均点3.87)」よりも、「品質・性能(同4.79)」「安全性(同4.67)」「操作のしやすさ(同4.49)」を重視していました。
【家電製品を購入する際の重視項目】
グラフ
モニターテストでは操作キーを誤操作
 モニターテストでは操作キー(ボタン)の誤操作や誤使用がいくつか見られ、けがややけどを負う危険性がある誤操作もありました。
【誤操作の例】
 ●電気ポットでお湯を沸かそうとしてキーを操作しているうちに、誤ってロックキーを解
  除してしまい給湯ボタンを押してしまった。
写真 
【電気ポット操作キー】

 ●オーブントースターの上下切り替えヒーターの設定を誤り、パンがうまく焼けなかった。
写真
【オーブントースター操作キー】
誤操作の原因は操作キーのわかりにくさ
 誤操作の原因として、@操作キー(ボタン)が小さい、A文字による表示がほとんどない、B表示されているマーク(絵)の意味がわからないなど、操作キー(ボタン)の分かりにくさがあげられます。
 また、本体表示における情報量が少なすぎるため、誤操作につながったとも考えられます。
わかりやすい操作方法・操作キーの考慮を
 日常生活用品は、初めて使用する場合でも取扱説明書に頼ることなく、誰もがスムーズに安全に操作できることが求められます。インテリア性を重視したデザイン家電であっても、操作キーの大きさや形状などに配慮し、操作手順をイメージしやすいデザイン開発が望まれます。
 なお、消費者も、購入時には、子供や高齢者が使用することも配慮した商品選択が求められます。