観葉植物[エコプラント]と光触媒人工植物による室内化学物質の
除去効果
 
 最近、室内の空気清浄化をうたっ、ポトスやサンスベリア等の観葉植物[エコプラント]や、光触媒を利用した人工植物が販売されています。そこで、実際の部屋で使用した場合、どの程度の効果が期待できるのか、室内化学物質に対する除去性能を調べました(実施時期:2006年11月〜2007年3月)。
 
  有害な化学物質についてテスト
   対象とした有害化学物質としては、ホルムアルデヒド、トルエン、窒素酸化物(NOx:一酸化窒素・二酸化窒素等)でこのうち、ホルムアルデヒド、トルエンは、建材や家具に使用される接着剤等から発生し、目まいや吐き気等を引き起こす、シックハウス症候群の原因物質です。窒素酸化物は、喫煙や燃焼器具使用で室内でも発生し、濃度が高くなると呼吸機能の低下を引き起こすことがあります。
 
  テスト品は身近に購入できる安価なもの
   観葉植物(3種)光触媒をコーティングした人工植物(3種)、植木鉢部分に空気清浄機が組込まれた商品(2種)についてテスト対象とを行いましました。いずれも通信販売やホームセンターなどで入手できる比較的安価なものです。
 なお、光触媒とは、光を吸収することにより化学物質の分解反応等を促進するもので、酸化チタンが代表的なものです。
除去効果は限定的であり、換気が必要
 テストの結果、空気清浄機と観葉植物が複合された商品(エコプラント4)では、0.794〜11.04m3/hの換気量に相当する除去能力(2畳間程度の空間でテスト結果による)があることがわかりましたが、これは観葉植物の働きではなく、鉢の土の部分が空気清浄フィルタとして機能する構造によるものでした。しかし、通常窓を閉め切った6畳間でも換気量は12 m3/h程度あると言われており、そうであれば、自然換気による効果の方が大きく、同商品の除去効果は一般住宅の居室よりも狭い空間(例えばエコプラント周辺)に限られたものであることがわかりました。
 他の観葉植物や人工植物単体では、化学物質の除去効果はほとんど確認できませんでした。これは、植物量や光触媒量が適用する部屋の大きさに比べて少ないためと考えられます。
 いずれの商品も室内空気の浄化力は乏しいため、商品だけでは除去効果は不十分です。定期的に部屋の換気を行うよう心がけましょう。
写真
前列左から人工植物1、同2,同3
後列左からエコプラント4、同1、同2、同3、人工植物4
表1.試験対象としたエコプラント
表1.試験対象としたエコプラント
表2.試験対象とした光触媒人工植物