内職商法にご注意 仕事始める前にお金を払うの? |
【事例】 在宅でできる仕事はないかとインターネットで検索したところ、パソコン入力の在宅ワークを見つけた。 事業者に資料を請求したところ電話がかかってきた。電話で面接をしますと言われ、メールの文章を読 みながら説明を受けた。その際必要経費50万4000円を現金で一括で振り込むよう言われた。事業者に 言われたとおり銀行から現金を振り込んだ。しばらくしてから事業者の説明に不審感を抱いたのでクーリ ング・オフしたいが可能か。事業者に電話を架けても誰も出ない。 (20歳代・女性) 【アドバイス】 この事例の他にも「デザイン関係の内職をしませんかと電話勧誘があり、仕事の前にデザインの勉強 をしてもらう必要があると説明され高額なデザイン教材を契約させられた、いつまで経っても仕事をあっ せんしてくれない」、「パソコンの資格を取得すれば、毎月数万円の収入が得られると勧誘され、パソコン 講座を契約したが資格が取得できないので解約したい」という相談が寄せられています。 このように「仕事をあっせんするので、自宅で簡単に収入が得られる」などと勧誘しながら、「仕事に必 要だから」と商品や教材などを購入させる販売方法を内職商法と言います。教材費、材料費、登録料と いったさまざまな名目で高額な代金を支払っても仕事のあっせんがなく、収入が得られないばかりか支 払い代金のクレジット契約だけが残ったなどのトラブルが発生しています。仕事に就くために、仕事の提 供やあっせんをする事業者から商品を購入したり、高額な登録料等を負担しなければならないということ は、常識的には考えにくいところです。内職商法については、事業者から契約書面を受領した日から20 日以内であればクーリング・オフが可能です。 この事例の相談者には内職商法の問題点について説明しました。また、クーリング・オフの方法を説明 しました。 子育て中の専業主婦等にとっては、「在宅で簡単にできる仕事」と言われると魅力的ですが、契約する 場合は、「クーリング・オフ期間」、「仕事の具体的内容」、「報酬」、「仕事量等の条件」をよく確認するとと もに、それらが明記された書面をもらうことが必要です。仕事を始めるにあたって、商品を購入すること が条件である契約にはとくに注意を払いましょう。不明な点があれば直接事業者に問い合わせたり、ホ ームページ等で当該事業者の情報を収集するなど慎重に対応することが必要です。 既述のとおり契約してしまった場合はクーリング・オフが可能です。また、クーリング・オフの期間が過 ぎていても「契約書が交付されていない」「嘘の説明があった」などの場合は交渉する余地があります。 「おかしいな」「困ったな」とおもったらすぐお近くの消費生活相談窓口にご相談下さい。 (生活科学総合センター) 婦人兵庫 20年12月号登載分より |