幼少期の子供のいる家庭の食生活

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BSEや鳥インフルエンザなど、ここ数年、食の安全性を揺るがす事件が続き、消費者の不安が募っています。幼少期の子供を持つ都市部の家庭では食生活についてどのように考え、対処しているのかを調べるため、保育園、幼稚園、小学校に通う子供を持つ家庭1,037戸に現状を聞きました。(平成15年10月〜11月実施)

 

根強い食生活への不安

食生活全般に不安や不満、不信を感じている人は58.1%、日頃購入する食品の安全性に不安を感じている人が74.0%いました。昨年、内閣府に食品安全委員会が創設され、本県でも食の安全・安心相談室を設けるなど、国や県では、食に対する消費者の不安・不信に応えるための施策を展開しています。しかし、国や県が実施している食の安全・安心対策の効果について「変化がみられない」とする人が80.2%と大半を占め、効果が実感されていないのが現状です。

 

店舗を選ぶ基準は価格・近場・安心に3等分

食品を購入する時の店選びで最も重視することは、「価格が安い」32.7%、「家から近い」30.4%、「安心できる食品を販売している」29.5%と意見がほぼ3等分されました。

回答者の年齢別に見ると若い人ほど価格を重視していることがわかりました。7割を超す人が食品の安全性に不安を感じているものの「安心」を店選びの第一においていない人が多いことがわかります。一方、40代〜50代では安心を重視する人がもっとも多くなっていました。

 

食の不安を解消するために身近な情報を活用

食の不安や不満を解消するための取り組みでは、「新聞・テレビを意識して見る」72.3%、「食品表示をじっくり読んで選択する」59.8%、「友人や周りの人から情報収集する」57.8%が上位を占め、身近な情報を活用していることがわかります。今後取り組みたいことでは、「疑問に思ったら保健所や消費生活センターに相談する」60.8%、「インターネットで積極的に情報を探す」42.9%が多く、自分の都合に合わせてできる行動が上位を占めました。一方、講座や講習会、グループ活動などに現在参加している人は5%に満たず、半数以上の人が「今後も取り組むつもりはない」としていました。

 

わからない文言が多すぎる

食の安全・安心情報に登場する用語のうち、初めて聞くと答えた人が多かったのは、「トレーサビリテイー」74.0%、「グリーンツーリズム」67.1%、「HACCP52.1%、「食生活指針」47.8%、「食品表示ウォッチャー」44.3%、「地産地消」43.0%でした。情報を提供してもわからない言葉が多いと消費者は理解できません。わかりやすい情報提供が望まれます。

 

幼少期の子供の食生活

「食事の後片付けの手伝いをしている」50.4%、「食事作りの手伝いをしている」40.6%と家族で共に食事の準備や片づけを行う姿が見られました。しかし、「大人と必ず一緒に食べている」78.1%、「朝食を必ず食べる」85.9%と、一人や子供だけで食事をしたり、朝食を食べない子供がいることもわかりました。

幼少期は心身の基礎を作る大変重要な時期です。幼少期の子供の食生活を見直すとともに、農作業などを通じて食材とふれあう体験を持つなど、様々な面からの食育活動に、家庭だけでなく、学校や地域でも取り組むことが望まれます。