日用品などの商品情報に関するモニターテスト


 宣伝文句やパッケージデザインが、,購入する商品を決定するきっかけになることがあります。このような商品情報の違いが、商品に対する価値観にどの程度影響するのかを、モニターテストで調べてみました。
テストした商品
 日頃、購買頻度が高いと思われる商品を中心に、食品、日用品、文具、医薬品、化粧品、嗜好品、健康用品、衣料品から27点を選んでテストに使いました。
商品情報によって商品への価値観は変わる
 購入した店の情報や、パッケージなどの異なる商品について、支払っても良いと思う金額を40名のモニターに答えてもらったところ、同じ商品でも商品情報の違いによって答えが違っていました。
 商品の良さを基準に商品を選ぶ場合と、価格の安さを基準に商品を選ぶ場合とで、モニターが答えた金額を比較したところ、価格の安さを基準にしたときの方が、商品情報による影響は比較的小さいことがわかりました。
 高くても優良な商品を購入するという場合に、商品情報に影響されやすいと考えられます。
食品では「安全性」や「消費期限」を重視
 「安全性」「高品質」などの商品情報のうち、どの情報が最も高い金額の回答になるかは、商品の種類によって違っていました。
 食品では、「安全性」を強調した商品の金額が他よりも高いことがわかりました。「安全性」を強調した食品は、他の商品情報を付けた商品よりも価値が高いと判断され、値段が割高であっても購入してしまいやすいと思われます。「安全性」の内容もよく吟味して購入する必要がありそうです。
個人の特性によって商品の価値は異なる

 モニターの「性別」や「家庭内で買い物を担当しているか」「常に同じメーカーの商品を買っているか」「商品の選択を慎重に行うか」といったモニター個人の特性によって、商品に対する価値観が異なっていました。
 例えば嗜好品の「日本酒」では、「慎重に購入する」という人は「おいしさ」を強調した場合に金額が高く、そうでない人は「店までの距離の近さ」を強調した場合に金額が高くなっていました。前者には日本酒が好きで、味の良さで選ぶ人が多く含まれ、後者には日本酒の味にこだわらない人が多く含まれると考えられます。

商品情報をよく判断して買い物を
 普段の買い物では、商品情報を特別意識したり区別したりすることはあまりありませんが、私たちは自分では気付かないうちに商品情報の影響を受けています。そのことを自覚することで、商品選択の間違いや無駄な買い物を防ぐことができるでしょう。



テスト商品の一例(たまご) Bを選んだ人は、高価格でも購入すると回答
テスト商品
A:「おいしさ」を強調した宣伝文句を添付
B:「安全性」を強調した宣伝文句を添付
C:「栄養価」を強調した宣伝文句を添付
D:宣伝文句なし

(商品名やメーカーなどはテスト用に作成した架空のものです)