ルームエアコンの使用実態


 ルームエアコンの普及率は、平成15年3月末の内閣府の消費動向調査によると88.8%で、保有状況は一世帯当たり2.5台となっています。エアコンの使用実態を調査し、エアコンに対する消費者の不満点などを、県立生活科学研究所の商品テストセミナー修了生と共同で調査しました。
 アンケート調査は夏季(平成14年7月〜9月)と冬季(平成14年12月〜15年1月)の2回、県立生活科学研究所商品テストセミナー修了生、県内の内閣府国民生活モニターを対象に実施し、夏季397人(回収率59.6%)、冬季327人(回収率49.1%)から回答を得ました。
冬季は短時間使用が多い
回答者のうち369人(92.9%)がエアコンまたはクーラーを設置しており、エアコンを設置していない理由は、「健康に良くない」が最も多く35.7%。「省エネや環境への影響を考慮して」は21.4%、「電気代がかさむ」が17.9%でした。
冬季に、エアコンを暖房として使用している人は197人で、エアコンを設置している人の63.3%でした。一日の使用時間は平均4.1時間(夏季は平均6.3時間)で、冬季の使用は短時間の人が多くなっています。
冬季に使用しない理由は、「電気代がかさむ」が最も多く64.8%、「他の暖房器具の方がよい」58.4 %、「頭上から暖かい空気が来るので気分が悪い」36.8%が続きました。
使用時に困ることは空気の乾燥
エアコン使用時の環境で困ることは、冬季は、「部屋の空気が乾燥する」が最も多く44.7%、「外気温との差が大きく結露する」が32.0%でした。
夏季は「冷房していない部屋との温度差が大きく不快である」が43.9%で最も多く、「体全体が冷える」が23.8%でした。
冬季、夏季ともに、「室内温度にムラがあり、場所により温度差がある」(冬季32.5%、夏季26.3%)、「季節のはじめにカビ臭が気になる」(冬季32.0%、夏季26.0%)、「足元が寒くなる」(冬季31.5%、夏季27.1%)、「吹き出しからの風が直接体に当たって不快になる」(冬季30.5%、夏季19.0%)などが目立ちました。
機器に頼らない快適なくらし方の工夫も

こうした不満を解消する製品開発も望まれますが、資源を多用する人工的な環境づくりには限界があります。自然と共生し、快適な暮らしを送るためには、太陽光や自然の風を上手く利用したり、住宅の断熱効果をよくするなど、住宅の立地や構造面での一層の工夫を加えることが今後の大きな課題と言えます。

暖房時に困ること
図1 暖房使用時に困ること(N=197)複数回答
冷房時に困ること
図2 冷房使用時に困ること(N=369)複数回答