ユニバーサルデザイン商品の操作性

 

「ユニバーサルデザイン」と称した様々な商品を見かけます。ユニバーサルデザインとは、万人向け設計(誰にでも使いやすい設計)の考え方を指しますが、今のところ厳密な定義はなく、独自に定義づけをしているメーカーもあります。

 

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「ユニバーサルデザイン」とうたった商品(計量カップ、フライ返し、スプーン、フォーク、平皿、ボウル、消しゴム、ボールペン、はさみ、フラットファイル、電卓、排水溝用ブラシの計12品)を17人のモニターにテストしてもらい、同じ用途の通常品と使いやすさを比較しました。

 

かえって「使いにくい」といったケースも

テストしたユニバーサルデザイン商品の多くは、通常品に比べ軽く、文字やボタンが見やすい(写真1)などの理由から、全般的には評価が高くなっていました。

 

しかし、個別に見ていくと、スプーンの場合、先が円形であるため「皿との接触部分が小さく、食品を取り分けにくい」、さじの部分が小さく浅いため、「チャーハンやスープはすくいにくい」という意見が出ました。フォークでは、「口当たりが良い」という評価の一方で、「刺しにくく麺類が巻き取りにくい」という意見もありました(写真2)。

 

 

握力がなくても本体を支えることができるというボールペンは、従来のペンと同じ持ち方をすると、「ペン先のふくらみが邪魔で書いている文字が見えない」という問題も指摘されました(写真3)。

 

取り扱い説明書や包装にも配慮を

「取扱説明書の字が小さく読みづらい」「包装が開けにくい」、ボールペンでは「キャップが丸くて転がりやすく、つかみにくい」といった意見もありました。

本体の使いやすさのみならず、購入から実際の使用に至るまで、トータル的にユニバーサルデザイン化されることが望まれます。

 

購入時に気を付けること

ユニバーサルデザインと表示してある商品であっても、誰もが、どんな状況でも使いやすいとは限りません。

従来の商品とは大きく異なるデザインのため、使い方がわからない、または慣れないため使いにくいという商品もあります。

どユニバーサルデザイン商品を購入する時は、どの部分がどのように工夫されているのかを把握し、実際に使う場面を想定して、自分に合ったものか判断する必要があります。モノによっては、結局、慣れたものが良いということになるのかもしれません。