相談事例

【事例】
　ネットショップオーナーを募集するサイトを見た。「初期費用は１４万円、必ず儲かる」と書いてある。取扱商品は家電など。原価１５万円の製品を１８万円で売り、差額の３万円が収入になると説明している。信用できるのか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
【アドバイス】
　これはドロップシッピングと呼ばれる仕組みです。ドロップシッピングとは商品の仕入れと発送を行う仲介業者などと契約を結び、自分のネットショップ（ウエブサイト上）に商品を掲載し、商品の注文があるとメーカーや卸売業者・仲介業者から購入者に送り、自分では在庫を持たずにネットショップの運営をするだけという形態のものです。仲介業者に自分のウエブサイトの作成を依頼するケースが多く、その際にＨＰ作成費用として非常に高額な契約を結ばされるケースも多くみられます。
　「誰でも簡単に儲かる！」「ドロップシッピングで年商○○万円も夢じゃない」と利益を保証するかのような勧誘を行い、いざネットショップをオープンしてみると「訪問者が少なく、思うように売り上げが上がらない」という事例もあります。また、高額な契約をして作成を依頼したウエブサイトが、値段の割に簡素なものであったり、契約者がサイトの加工・修正を行えない、サイトへの訪問者数が分からないなどさまざまな問題点が見受けられます。さらに、仲介業者から契約前にメールマガジンの発行や、検索サイトで上位でヒットするように検索サイトの対策（ＳＥＯ対策）を行うといった説明を受けたが、実際にそのような作業を仲介業者が行っているのかという疑問も生じているようです。
　事例の相談者にはドロップシッピングの仕組みについて説明するとともに、同種の相談事例を説明しました。また、商品に欠陥があった場合には、販売した者として自分が購入者に対して責任を持たなければならない場合もあることから十分な注意が必要であることもあわせて伝えました。　　　
　事業者の勧誘では、手軽な副業といったイメージを抱きがちですが、簡単にお金を儲けられるような話はありません。契約する際には、仕組みについて納得できるまで説明を聞き、契約書類等をよく確認するなど慎重に検討しましょう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（兵協連だより　　平成22年9月号）

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