「懸賞金に当選」とかたった出会い系サイトへの勧誘
【事例】
 携帯電話に、「懸賞サイトに当選。現金二百万円をプレゼント」とのメールが届いた。その後も「当選したので至急連絡してほしい」「放置すると受取の権利を失う」など何度もメールが届いた。以前応募した懸賞に当選したと思い返信。サイト業者から「当選金を支払うためには、個人情報のセキュリティレベルが高いサイトを利用して手続きが必要」「サイトでのメールの送受信にはポイントが必要だが、ポイント代金は後日返金する」とメールが届いたので、指示されたサイトにアクセスし指示どおりポイントを購入した。その後も次々とポイントを購入するよう指示があり、計6回合計4万1千円をクレジットカードで決済したが、懸賞金支払の手続きが進まず不審。
                                                   (40代、女性)
                                                        
【アドバイス】
  応募するだけでプレゼントが貰える「懸賞」。無料の気軽さで利用している人もたくさんいます。以前は葉書で応募するケースが大半を占めていましたが、最近は携帯電話やパソコンから無料で応募するケースが増えてきました。これらの無料懸賞サイトに応募するには、会員登録が条件となり、メールアドレスなど個人情報の入力が求められます。
 事例の相談者は複数の懸賞サイトに応募していましたが、それぞれの内容は覚えていませんでした。
 相談者がポイントを購入させられた「セキュリティレベルの高いサイト」とは、いわゆる出会い系サイトでした。相談者は言われるがままに有料の出会い系サイトでメールの送受信を繰り返していました。
 相談者は有料サイトを利用するつもりは当初からなく、懸賞金当選をかたった有料サイトへの不当な誘導であることを当センターから出会い系サイト業者に指摘し、有料サイト登録を取り消し、ポイント代金を返金するよう交渉しました。あわせて、クレジット会社及び決済代行会社に相談内容を伝え、出会い系サイト業者への指導など対応を依頼しました。
 ネット社会の中で、懸賞サイトや占いサイト、出会い系サイトなど、利用に際しメールアドレスなど個人情報の入力が必要なサイトはたくさんあります。これらのサイトの閲覧自体は無料であっても、個人に直接繋がるメールアドレス(個人情報)を入力することによって、悪質業者からの勧誘を受ける可能性が高くなります。事例のように悪質業者から「高額の現金プレゼント」とあまい言葉をかけられたり、メール相手との人間関係等を利用されるなどし、次々に有料ポイント購入させられ、気がつけば請求金額が百万円以上になっていたという相談も寄せられています。
 懸賞金など高額のプレゼントを受け取るために事前に費用負担が必要という手口は、詐欺でよく用いられる手口です。簡単にお金が儲かる話はありません。甘い勧誘にはのらないよう注意しましょう。

                                         (姫路生活科学センター)
                                          
                                        婦人ひょうご  平成22年4月号

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